使ってみよう!ひきだすにほんご 〜実践共有のコーナー〜

Let's Use ひきだすにほんご! ~Examples of use~

#018

日本/東京外国語大学での実践例

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オノマトペを使って好きな食べ物紹介!

オノマトペを使って好きな食べ物紹介!
クラス紹介

東京外国語大学(TUFS)では、『日本の大学・大学院で学ぶ人のための日本語準備講座(TUFS Online Preparatory Japanese Language Course for International Students:OPJLC)』を年に2回(春期・夏期)開講しています。2025年2月12日に行ったオンデマンド型講座「中級1」クラスのオンラインスクーリングで「ひきだすにほんご」を活用しました。

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「中級1」クラス

「中級1」は以下に該当する留学生向けに開講されているクラスです。

  • 初級後半(JLPTのN4相当)レベルの日本語学習が終わった人
  • 漢字が200字程度読める人
  • 中級前半(JLPTのN3相当/CEFR B1相当)レベルのやりとりの練習がしたい人

使用教材は「ここから」という本学開発のオリジナル教材で、このクラスでは、「ここから」のUnit1~4を4週間で学びます。学習のプロセスは以下の通りです。

こんなふうに使いました!

2週目のオンラインスクーリングで「自分の好きな食べものをオノマトペを使って紹介する」という活動を行いました。その際、食感を表すオノマトペのモデルとして「気持ちが伝わるオノマトペ ONOMATOPOEIA -Share Feelings-」の「#20 食べもの編」「#21 食べもの編2」を受講生に視聴してもらいました。

〈活動の流れ〉15分

  • 1. 「気持ちが伝わるオノマトペ」の動画を見る(「#20 食べもの編」「#21 食べもの編2」)
  • 2. ブレイクアウトルームで「食べもの編」の動画や、「ここから」のUnit2のコラムを参考に、自分の好きな食べ物をオノマトペを使って紹介する
  • 3. 写真があればチャットボックスに送る(学部生TA・院生TAが技術的にサポートを行って、スライドを作成しました)
  • 4. メインルームに戻り、スライドを見せながら発表する


「ここから」Unit2のコラムでは、最近はまっているものとして「チョコモナカアイス」が紹介されていて、次のようなオノマトペが登場します。

  • 外側は「サクサク」のおいしいモナカ
  • (中に入っている板チョコが)食べると「パリパリ」という音がする
  • 「サクサク」と「パリパリ」がバニラアイスに「トロッ」と溶けて

そして、「気持ちが伝わるオノマトペ」の「食べもの編」の動画には「サクサク」「じゅわ~」「もちもち」「ぷるぷる」といったおいしそうなオノマトペが次々と登場します。

  • 画像2 じゅわー
  • 画像3 もちもち


顎に手を当てて頷きながら見る人、難しそうな顔をしてじっと見つめる人、動画と一緒に口が動く人…様々でした。その後のブレイクアウトルームでは、TAに自分の好きな食べ物を紹介しながら「これは、サクサクでいいですか?」と質問したり、「とてももちもちです!みなさんも、食べてください」とおすすめしたりしていました。また、TAが自分の好きな食べ物を紹介したときには「ああ~もちもち、いいですね」といったリアクションも見られました。

この動画のすごいところ

この動画のすごいところは、何と言っても「一回で伝わる」ところです。食べものとオノマトペの組み合わせが絶妙で、説明がなくても見る人にまっすぐ伝わる動画になっています。中級を始めたばかりの受講生にとって、ただの難解な語彙だったオノマトペが「映像」と「音声」によって一気に身近なものに変わるのがわかります。今まで食わず嫌いをしていた食べ物をちょっと口にしてみたら「あれ?意外といけるかも?」と感じる瞬間があるように、この動画を見れば、オノマトペに苦手意識を持っていた人も「あ、これはわかるかも?」と思えるはずです。この動画は、そんな人たちの「ちょっと使ってみようかな」という気持ちもしっかり後押ししてくれます。たくさんの工夫が1分間に無駄なく、テンポ良く、ぎゅっと凝縮されている点も見事です!

(学生の作ったPPT例)

  • 画像4 PPT1
  • 画像5 PPT2

クラスや教材について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください!

(木下瑞紀/東京外国語大学 特定研究員)