Let's Use ひきだすにほんご! ~Examples of use~
他の実践例を見る
東呉大学では、第二外国語の日本語授業(選択科目)で、日本語を学ぶ学生と中国語を学びに来た日本人留学生とのタンデム学習(母語が違う人でペアになってそれぞれの言語や文化を学び合う学習法)を行っています。この授業では、タンデム学習を円滑に進められるようになるために、日本語を学ぶ学生を対象に、「ひきだすにほんご」を使って、ストラテジーやオノマトペを学ぶ時間を作りました。
クラスの概要は以下のとおりです。
クラス : 会話3(第二外国語の日本語授業(選択科目))
実施期間: 2023/9/13- 2024/01/03
授業時間: 週1回50分×2
参加者 : 37人(日本語学科12名、それ以外25名)
二コマの授業のうち、一コマ目は「ひきだすにほんご」を使った学習、二コマ目は日本人留学生とのタンデム学習を設定し、お互い学んだ日本語・中国語をどのぐらいできるか実践させてみました。
一コマ目:「ひきだすにほんご」を使った授業の流れ
時間 (分) |
内容 | |
---|---|---|
流れ | 40 |
「スアン日本へ行く!」を使った学習
|
10 |
「気持ちが伝わるオノマトペ」を使った学習
|
|
合計 | 50 |
二コマ目:タンデム学習の流れ
時間 (分) |
内容 | |
---|---|---|
流れ | 5 |
ウォーミングアップ・練習のトピックと仕方を決める |
20 |
①で決めたトピックについて、日本語もしくは中国語で学習を実施 |
|
20 |
同じトピックについて、使用する言語を入れ替えて(先と異なる言語)学習を実施 |
|
5 |
まとめ・フィードバック・次回の学習計画の確認 |
|
合計 | 50 |
今回はじめて映像教材を授業に取り入れましたが、多くの学生が、このような映像教材を楽しんでいるようでした。「スアン日本へ行く」というサバイバルのようなドラマは、職場生活も恋愛物語も生き生きとして好評でした。授業中、皆で一緒にビデオを見ている時も、大声で笑ったり、小さく討論している声がよく聞こえました。講義式の授業より活発に討論できるような雰囲気になって、とても良かったと思います。「やんす」に、似たような発音の中国語の名前(羊思yáng sī)を付けてみる学生もいました。
また、「気持ちが伝わるオノマトペ」も短くて学びやすいようでした。「ばっちり」の訳語は何かを学生に聞いたところ、「棒極了」という音声も意味も似た中国語訳文を作ってくれました。
学期が終わった時に、学生がどのように感じているか、実際の会話実践にどのぐらい応用できるかについてアンケートで聞いてみました。
印象に残ったストラテジーは何かという質問には、「第5話 共通の話題を見つけて話しかける(18.9%)」と答える学生が一番多かったです。学生の意見から、どのようにすればスムーズに話ができるかを学ぶことの大切さがわかりました。2番目に多かったのは、「第10話 短くシンプルに言い換える(13.5%)」で、こういうストラテジーを学べば、知っている言葉がたくさんなくても簡単にコミュニケーションも取れるということが評価されたのだと思いました。また、約89%以上の学生が学んだストラテジーを半分以上実践したと答えたことから、日本語だけではなく、会話ストラテジーを使う重要さもわかったと言えます。
オノマトペについても、「タンデム学習で学んだオノマトペを使った」と答えた学生が約86%でした。日本人学生に他のオノマトペはないかを教えてもらったりする様子もよく見かけました。教科書でなかなか学べない言葉ですが、「ひきだすにほんご」のおかげでオノマトペの面白さがわかって、会話にもっと使えるようになったようでした。
アンケート結果の詳細はこちらをご覧ください。
リョウ・ユーチン(廖育卿)/台灣
東吳大學日本語文學系 兼任助理教授
(令和4年度国際交流基金日本語国際センター 海外日本語教師教授法総合研修 参加者)
Sorry, this page is only available in Japanese.
このページは日本語のみでご覧いただけます